東京に住んでいた頃、帰省するたびに何度か会っていた、近所の飼い猫の黒猫がいました。 その子は母にとても懐いていて、隣の家の屋根をつたって、母の部屋のベランダによく遊びに来ていました。けれど、私が顔を出すと、目をまるくして体をこわばらせることもあり、その反応がなんだかおかしくて、かわいくて、よく覚えています。
家を解体することになり、母はその猫とお別れをして、東京の私の家で一緒に暮らすことになりました。 それから約一年。母がふと「新しい家になったら、もうタロちゃん来ないかなぁ」 と少し寂しそうに話していたことがありました。 そんなことがあってから、新居に入って数日後のことです。 母の「あ、タロ、タロー」という声が聞こえて、私も玄関へ行ってみると、向こうから「にゃ〜」と言いながら走ってくる姿が見えました。なんと、一年ぶりの再会でした。 うれしそうな母の顔を見て、私もほっとひと安心。タロちゃんもまた会えたのがうれしかったのか、そばに来て、ゴロゴロと喉を鳴らしていました。 最近では、横の勝手口の網戸のところまで来て、「来たよ」と知らせるみたいに「ニャ〜」とひと声。顔を網戸に近づける姿がなんとも愛らしくて、その声が聞こえると、私もつい駆け下りてしまいます。 あんなに警戒されていた私ですが、今ではすっかり「黒猫」ではなく「タロちゃん」になりました。 この家が、タロちゃんにとって第二の家のような場所になっていることが、とてもうれしいです。 最近では、お客様になでてもらって、気持ちよさそうにゴロゴロしていることもあります。いつの間にか、やさしい招き猫のような存在になってくれました。
あ、でも猫が苦手な方は、遠慮なく声をかけてくださいね。

oplus_1058

oplus_1058

oplus_1058
コメント